ゆぶね「どうすりゃいいんだ・・・」
本拠地、埼玉大学で迎えたPCL地方予選
WCSルール担当が大量黒星、シングル担当も勢いを見せず惨敗だった
TLに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は地方予選落ちだな」の声
無言で帰り始める選手達の中、SPL元代表のゆぶねは独りベンチで泣いていた
2016年度PCLで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今のSPLで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ゆぶねは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ゆぶねははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってウルトラワープライドをしなくちゃな」ゆぶねは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ゆぶねはふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出したゆぶねが目にしたのは、埼玉大学第一食堂を埋めつくさんばかりのSPL員だった
千切れそうなほどに赤鹿Tシャツが振られ、地鳴りのように埼玉大学大学歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするゆぶねの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ぶね太郎、トリプルレートだ、早く行くぞ」
声の方に振り返ったゆぶねは目を疑った
「#ミ・・・#ミルホッグさん?」
「なんだ湯川、居眠りでもしてたのか?」
「あ・・・赤鹿?(さん)」
「なんだゆぶね、かってに赤鹿さんを引退させやがって」
「ともしさん・・・」
ゆぶねは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:ともし 2番:こてっちゃん 3番:#ミルホッグさん 4番:あまぜ 5番:赤鹿 6番:ゆぶね 7番:うぇいぱ 8番:†ワイエヌシーアスベル† 9番:菊葉月
暫時、唖然としていたゆぶねだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
にゃえすから3DSを受け取り、PSSへ全力疾走するゆぶね、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているゆぶねが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った